新興数寄屋建築家吉田五十八氏の「饒舌抄」に感動したT&Aが贈る建築談義


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建築の勘所

〜吉田五十八が設計した日本画家の家が評判になり、ある知人の設計士が見せて欲しいと訪ねてきた。画家は快く案内したが、設計士はいきなり手帳を出して寸法を取って帰ってしまった。

後日そのことを画家は吉田に話をした。
「私の家にくるなり手帳を出して寸法を取って帰ってしまいました。私に対してどうした気持ちで作ったとも、住み心地はどうであるとかも聞きもしません。一体建築の気分というものを少しも考えていないらしい。なるほどあの設計士は寸法はこれに似たものを作るでしょうが、出来たものは全然違ったものになると思いますね。」と云われ吉田は画家の洞察眼に驚いた。

全く画家の云われた通り、建築は寸法は第二義で気分と云うか雰囲気と云うかそれを感得するのが第一義であらねばならない。特に日本建築においては然りである。
吉田五十八談(建築世界第三十巻昭和十一年一月号)

往々にしてディテールや寸法にこだわりいかにも設計しましたという気分になりがちであるが、重要なのはその場に生まれてくる空気である。

以前設計した銭湯テルメ末広でも同じようなことがあった。
その当時テレビや雑誌によく出た関係で業界で話題になり、よくメジャーを持ってお風呂に入りにきていた人たちがいた。いくら形をまねてもこの雰囲気は出せないだろうと湯船の中から見ていたことがあった。

建築の設計は形ではない。空気をデザインできたら最高である。

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椿建築デザイン研究所
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# by t-ainfo | 2005-03-21 21:32

上海での仕事

Worksに上海益田屋の写真が掲載されましたので、上海での仕事について少々。

上海で今最も高級ブティックやデパートが建ち並ぶ南京西路の梅龍鎮界隈にある伊勢丹デパート内ビルの6階に茶道具益田屋はある。

設計は現地調査後通常通り日本の事務所で行い、見積を三者の業者に依頼。A社は中国に支店を持つ日本企業,B社は中国に現地法人を持つ合弁企業、C社は地元の中国企業。
A社の金額を100とするとB社70、C社は20ぐらいの違いがあり、いかにローカル企業が安いかがわかった。ただ今回は上海店のオーナーが日本語の堪能な中国人であったためローカル企業を使うことができたが、信頼出来る人材がいない限りはリスクはかなり高い。

特に仕事の質・工期・手配確認などなにかと悩まされる要素があとを立たない状況であり、たとえば茶室の柱を材木問屋に見に行き現物確認して指定しているにも拘わらず別の柱が納入されたり、スポットライトとダクトレールの規格が合わない(日本では考えられない)などなど。ただ施工業者も初めて日本の茶室を造るわけでこちらの説明に興味を示し、前向きな姿勢があり、上海店オーナーがなかなか監理に行けない設計士に変わり頑張っていただいたお陰でなんとかまとまりました。金額の割には十分合格点の出来となりました。

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# by t-ainfo | 2005-03-20 21:17

笑いのない建築

〜私は少なくとも日本の建築に味わいのある、いい意味の間抜けさ、ユーモアな点があって欲しいと思う。日本の建築家のデザインはあまりにまじめすぎやしないか、笑いのない建築でありはしないか、これは私の日本の建築に対する一つの考察ではあるが・・・・。〜吉田五十八談

主に日本では建築は技術系とのイメージが強いが、欧米では芸術系の分野にはいる。確かに設計の仕事を実際していると、理数科系のことはほとんどなく(構造は専門家に任せる)ライフスタイルや意匠的な提案が多くまた要望も強い。

そのな要望に応える時に四角四面の提案ではご満足いただけないであろう。設計に携わるものは皆日々忙しくなかなか時間がとれない人ばかりである。あまりにも仕事に追われ専門的に成りすぎ息が抜けない状態である。ただそれでは粋な建築は造れまい。
吉田五十八が云う笑いのない建築となってしまう。

吉田五十八は長唄にはまっていたようであるが、時には旅をして、趣味を楽しみ、仕事以外のことに没頭するすることが必要であろう。そこからまた粋な艶っぽいデザインが生まれるかもしれない。・・・といいながら自分の趣味(茶道・仕舞などなど)を正当化しているのかもしれない。

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# by t-ainfo | 2005-03-18 23:02

断熱くんの効果

創業15年になるとそろそろ外壁の塗り替えなどのメンテナンス物件が増えてきた。

ちょうど地元赤羽のT邸が外壁塗り替えを予定していたので、新しい外壁材「断熱くん」を施主の了解をもらい実験的に使用することとした。
断熱くんは1ミリ塗るだけでグラスウール100ミリと同等の断熱効果があるとの話である。

初めてで不安もあったので施工前に体験実験として実際に塗布した鉄板としていないもので白熱電球を直接あてて比べると、一方は素手でさわれないが、塗布した鉄板は直接さわっても我慢できる程度の温度であった。

そして実際のT邸の建物に塗布して遠赤外線診断機で調査すると確かに各部分の温度差が無くなり効果的なデータを得ることができた。
また実際にお住まいのお客様のお話でも効果は確かに感じられたようである。

ここ数年の施工の物件は高気密高断熱対応の外断熱工法を採用しているが、それ以前の物件の外壁塗り替え時には非常に効果的な面白い商品である。
断熱くんについてはコチラ

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# by t-ainfo | 2005-03-17 23:47

外断熱の家

最近設計している家はほとんど外断熱工法を採用している。
初めて行ったのは4年ほど前である。それ以前は一般的なグラスウール断熱材に通気工法を行っていた。もちろんこの方法でも断熱効果は得られるが、ますます高気密高断熱の関心が高くさらにといわれるとやはり外断熱工法が効果的である。

ただ一言で外断熱工法といってもいろいろな材料や方法があり、それぞれのメーカーがメリットを売りにしているため選定に迷うところである。

当社では現在はアキレスの外断熱材を使用している。
アキレス外断熱工法についてはコチラ
ほとんどのメーカーが工法を含めて販売しており金額的・設計の自由度の制約がある。アキレス断熱材は材料のみ購入が可能であり施工が簡単であるメリットがある。
またコスト的にも40坪程度の家で施工費も入れて約100万ぐらいのアップで可能。100万は大きな金額ではあるが快適性への費用対効果からすれば優先順位は高い。

まだ使用はしてはいないが高気密断熱プラス構造強度を加味したトステムのスーパーウォール工法なども興味深い工法ではある。
スーパーウォール工法についてはコチラ

これからも益々、高気密高断熱はじめ防犯システム・自然素材などへの関心は高まりいろいろな工法・材料が開発されるであろう。
建築家はデザインや形だけにとらわれないで日本のそれぞれの地域性や環境気候風土を考慮して選定・設計していかなければならない。

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# by t-ainfo | 2005-03-16 23:58

住宅は住む宅

〜住宅は住む宅であって、どこまでも見せる宅ではない。だから家人にとって住みいい家であり、又来る客が長く居られて家人と親しめる家であって欲しい。日本人には日本特有の雰囲気がかもし出されてた家が本当のいい住宅であると思う。〜
(昭和9年4月号の建築世界第28巻に書かれた吉田五十八の言葉である)

昭和初期の言葉でもあっても私にとってはそのまま納得できる言葉である。日本人のライフスタイルが大きく変わったとはいえ、住まう人の本質的な気持ちはあまり変化がないのではないかと思う。

「心地よさとは何か?」といつも自問自答しながら設計していると、いつしかT&Aのスタイルのようなものができあがってきた感がある。「和」を意識しながらも現代のライフスタイルを踏まえ「住まう」ことにこだわるといろいろな表現方法があり、また住まい手の「思い」から空間が生まれてくる。

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# by t-ainfo | 2005-03-15 11:07

建築饒舌抄スタート!

事務所の書庫から一冊の本を取りだした。
「饒舌抄」吉田五十八著(よしだいそや)
1985年11月3日購入とメモ書きがあった。
20年も前の設計事務所に入所したての頃に買ったようだ。
建築を志した頃のいろいろな意味でもっとも刺激を受けた本である。

〜吉田五十八は生前、いい作品というものは本来、作者が口で人に説明するものではなく、能書きがなくても作品そのものが見る人、使う人に語りかけて問いかけてその価値をしらしめるものであるといったことがある〜あとがきから

吉田五十八には遠く及ばないが彼が書いたエッセイのタイトルを拝借してT&Aの思いを綴っていく場としていくつもりである。

「住宅建築の極致とはどんなものですか?」
「新築のお祝いに呼ばれていって、特に目立ってほめるところも ないしと云って又けなすところもない。そしてすぐ帰りたい云った気にもならなかったので、つい良い気持ちになってズルズルと長く居たといったような住宅が、これが住宅建築の極致である。」

はやくそんな住宅が建てられる建築家になりたいものである。

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# by t-ainfo | 2005-03-14 12:30